AI業務内製化 1DAY合宿 / 1社貸切
株式会社明正 様|当日のスケジュールとワーク例題
先日いただいたご意見をふまえ、プログラムを組み直しました。 最初の1時間は、AIの話をせずに業務フローを書き出すワークから始めます。 そのうえで、全員が同じものを作る例題を2本はさみ、最後に各自のテーマで1本組み上げる——という順序にしています。 題材はすべて、お預かりした5案件の実物です。
前回お出しした案は、いきなり完成形のワークフローを組みにいく構成でした。 ただ、参加される方のAI経験に幅があることを考えると、途中で手が止まったまま1日が終わる方が出かねません。 そこで、積み上げの順序を明確にした4段階に組み直しています。
TODAY'S DESIGN
1本の完成品を見せる日ではなく、
作り方が身につく日にします。
この順番にしている理由
STEP 01を最初に置いたのは、これが他社様でも最も反応が良いワークだからです。 AIから入ると「で、うちの何に使えるのか」が最後まで曖昧なまま終わります。 先に業務を書き出しておくと、その後に出てくる機能ひとつひとつが「あの工程に使える」と結びつきます。 ここで出た候補が、そのまま午後の応用ワークの題材になります。 書き出すところまでが目的なので、きれいな図にする作業には時間を使いません。その分を午後に回します。
例題2本を「全員で同じものを作る」形にしたのも意図的です。 いきなり自分のテーマで作ると、題材選びとツールの操作を同時に覚えることになり、負荷が高すぎます。 題材を固定して手順だけに集中する時間を先に取ります。 そのうえで、1日でいちばん長い135分を STEP 03 に充てています。覚えた型を自分の業務で使ってみる時間が、いちばん長く残るようにしました。
手を動かす時間を合計335分(5時間35分)確保しています。そのうち135分を午後の応用ワークに充てました。 実習 の付いたコマは、全員がPCを開いて作業します。 全員同じ は、講師と同じ画面を見ながら同じものを作るコマです。
| 時間 | 段階 | 内容 |
|---|---|---|
| 8:45–9:00 | 受付 |
受付・PCの確認
ブラウザが動けば大丈夫です。メールソフトの設定は今日は使いません。当日の立ち上がりで時間を落とさないための時間です。
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| 9:00–9:15 | 導入 |
オープニング|ワークフローの考え方
本日の地図に加えて、「AIを使う」と「AIに働かせる」は何が違うのかをお話しします。人がやっている作業を「入口・処理・出口」に分け、処理の部分をAIに渡す——今日つくるものは、例題も応用ワークもすべてこの形です。先に考え方を入れておくと、このあとの理解の速度が変わります。
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| 9:15–10:00 | STEP 01 |
業務フローを書き出す実習
受注から船積み・請求までを、ホワイトボード(または模造紙)と付箋に書き出します。誰が・何を見て・何を作って・誰に渡すかを1工程ずつ分けて書きます。きれいな図に清書することは目的にしません。書き出して、時間がかかる箇所・人が判断している箇所に印を付けるところまでです。
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| 10:00–10:10 | 休憩 | |
| 10:10–10:25 | ステップ0 |
AIに一度触ってみる実習
ならし運転です。AIのチャット画面に、御社に実際に届いたメールを1通そのまま貼って、要点を3行で出させます。15分だけです。この後の例題1・2で本格的に触りますので、ここでは「もうこれくらいはできる」を全員が一度体験するところまでにします。
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| 10:25–11:35 | STEP 02 |
例題1|案件メールを貼り付けると、案件台帳に1行増える実習全員同じ
n8nとClaudeで、ノード4つの小さなワークフローを組みます。実際の輸出依頼メールを貼り付けると、荷受人・建値・積地・揚地・品名・コンテナ・搬入日など18項目が読み取られ、Google スプレッドシートの案件台帳に1行追加されます。目の前で行が増えるので、「AIに働かせる」が何なのかが一目で分かります。
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| 11:35–11:45 | 休憩 | |
| 11:45–12:55 | STEP 02 |
例題2|書類を突き合わせて、食い違うところだけ出させる実習全員同じ
社内指示書とインボイス・パッキングリストを貼ると、一致している項目と食い違う項目を仕分けて出します。読み取りの次は照合です。あわせて、AIが「不一致」と言っても運用上は正しい場合をどう扱うかを扱います。ここが本日いちばん議論が深くなる時間です。
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| 12:55–13:40 | 昼食 午前に出た論点を、雑談ベースで詰める時間としてお使いください。 | |
| 13:40–15:55 | STEP 03 |
応用ワーク|自分の業務で1本組む実習
本日の本番です。1日でいちばん長い135分をここに充てています。朝に書き出した業務フローから題材を1つ選び、例題と同じ型で組みます。テーマ候補はこちらでご用意しますが、ご自身の業務からお選びいただいて構いません。講師が会場を回り、手が止まった方の横につきます。
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| 15:55–16:05 | 休憩 | |
| 16:05–16:30 | 共有 |
作ったものを見せ合う
1人2〜3分で、何を作ったか・どこで詰まったかを共有します。他の方が別の業務で同じ型を使っているのを見ることが、社内展開のいちばんの材料になります。
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| 16:30–16:45 | 締め |
AIに任せる/人が必ず見る、の線を1枚にまとめる
1日を通して出てきた「ここはAIに任せてよかった」「ここは人が見ないと危ない」を、項目ごとに3段階で仕分けて1枚に落とします。他の業務にもそのまま当てはめられる判断基準になります。
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| 16:45–17:00 | 締め |
クロージング|私たちが目指していること
最後に15分いただきます。弊社がどこを目指してこの仕事をしているのか、そしてなぜオフラインでの開催にこだわっているのか。1日手を動かしていただいた後だからこそ伝わる話だと思っています。あわせて、当日使ったプロンプトとワークフローのお渡しと、明日から30日・90日で何をするかをお伝えして終わります。
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印刷用のタイムスケジュール(A4 1枚)
当日お手元に置いていただく用に、A4 1枚に収めた時間割をご用意しています。ブラウザの印刷からそのままPDFにできます。
9:15–10:00/45分。他社様でも最初に必ず行っているワークで、1日の中で最も反応が良い時間です。 AIの話はまだ出てきません。ホワイトボードか模造紙と、付箋とペンだけで進めます。
今回は「書き出すところまで」に絞ります
業務フローは、きれいな図に清書しようとすると、それだけで時間が溶けます。 今回のゴールは、清書された図ではなく「午後に自分が作るものが決まっている状態」です。 書き出して、印を付けて、そこから午後の題材を選ぶ。そこまでで十分に目的を果たせるので、 浮いた時間は午後の応用ワークに回します。書き出した模造紙は、写真に撮ってそのままお渡しします。
いきなり書き始めると、粒度がばらばらになって使えないものができます。先に書き方のルールをお伝えします。要点は3つで、①1つの付箋に1つの作業しか書かない ②誰の作業かでレーンを分ける ③レーンをまたぐときは「何を渡すか」を必ず書く。この3つを守るだけで、後からAIに渡せる工程が自動的に浮かび上がります。
ホワイトボードがあればそちらに、なければ模造紙に書きます。レーンは荷主/営業・国際部/通関/倉庫/船社・協力会社を想定しています。お預かりした5案件のうち1件を選び、実際の書類とメールを見ながら、その案件で起きたことをそのまま並べます。記憶で書くのではなく、手元の実物を見ながら書くのがポイントです。
書き上がったフローに、「ここは時間がかかる・ミスが起きやすい」と「ここは人が判断している」の2色で印を付けます。この2色が重なっていないところが、AIに渡せる工程です。
ここで出た候補が、そのまま午後の応用ワークの題材になります。最後に、各自「午後はこれを作ってみたい」を1つずつ挙げていただいて、このワークは終わりです。書き上がったものは写真に撮ってお渡ししますので、ワークが終わるまでは消さずに残しておいてください。
10:25–11:35/70分。n8n と Claude と Google スプレッドシートを使います。 全員が講師と同じ画面を見ながら、同じものを作ります。使うノードは4つだけです。
この例題には、画面つきの手順書をご用意しています
当日はこのページを見ながら、上から順に進めていただきます。貼るもの・押すボタンはすべて書いてあります。 実際のメール画面と、それがスプレッドシートのどの列に入るのかを、色分けした図で確認できるようにしています。
例題1でつくるワークフロー(n8n)
題材にするメール
MASS360008 のスレッドのいちばん下にある、6/8 の輸出依頼メールを使います。 このメール1通に、荷受人・建値・積地・揚地・品名・寸法・重量・梱包・コンテナサイズ・搬入日・納入先が、 すべて書かれています。件名の中にも情報が入っている(搬入日・依頼種別・建値・参照番号・荷受人)ことに気づいていただくのが、最初の見どころです。
n8nの画面を初めて見る方がほとんどだと思いますので、ノードを置く・つなぐ・実行するという操作そのものを、ここで覚えていただきます。ワークフローは手順書からコピーして貼り付けるだけで組み上がるようにしてあります。プロンプトも用意したものをそのまま使います。まず動くものを見る、が先です。
同じ手順で、他の4案件の依頼メールも貼り付けます。5行並ぶと、どの項目が安定して取れて、どの項目が空欄になりやすいかが一目で分かります。
ここで出てくる空欄の多くは、AIが読めなかったのではなくそもそもメールに書かれていないものです。つまりこれは、AIの精度の話ではなく依頼のもらい方の話だと分かります。ここに気づけると、業務そのものが変えられます。
ここが本題です。用意したままのプロンプトだと、いくつか間違いが出ます。「6/19」のまま年が入らない、コンテナの本数が抜ける、弊社の営業所名が荷受人の欄に入ってしまう——といった具体的な間違いです。
それを一つずつ、新人に教えるときと同じ具体さで指示に書き足していきます。「ちゃんとやって」では直らず、「20 ft FCL は 20ft FCL ×1 と書く」のように例を添えると安定する。AIに指示を出すというのは、この地味な書き足しの積み重ねである——これを体感していただくのが、この20分の目的です。
11:45–12:55/70分。n8n と Claude を使います。 例題1が「読み取り」なら、例題2は「照合(書類チェック)」です。 ノードの置き方・つなぎ方は例題1と同じなので、操作を覚え直す必要はありません。新しく覚えるのは「2つの入力を扱う」と「条件で枝を分ける」の2つだけです。
お預かりした資料を拝見して
いただいた案件の指示書とインボイス・パッキングリストを実際に突き合わせたところ、 いくつかの項目で表記や数値の食い違いが見つかりました。
これは御社の運用に問題があるという意味ではありません。1件あたり10項目以上、案件によっては複数の帳票を 並べて目視で追う作業を、1日に何件も、しかも締切に追われながら行えば、人の目では追いきれないのが当然です。 だからこそ一次チェックをAIに渡す価値があります。
当日は、この実際に見つかった食い違いをそのまま例題にします。 架空のサンプルでは「AIすごいですね」で終わってしまいますが、自社の実物だと議論が具体的になります。
なぜこの2本を選んだか
例題1で「読む」、例題2で「照らし合わせる」。 お預かりした資料を拝見するかぎり、御社の事務作業の量は、この2つでかなりの部分が説明できます。 しかもこの2つはAIがいちばん得意で、人がいちばん消耗しているところです。 さらに、例題1で作った案件台帳の1行は、そのまま例題2の入力としてつなげます。「前に作ったものに足していけばいい」という感覚も同時に持ち帰っていただけます。
例題2でつくるワークフロー(例題1に足していきます)
↓ 時間に余裕があれば、例題1をここにつなぎます
いきなり「チェックして」とは言いません。まず2つの書類から同じ項目を抜き出して、左右に並べさせるところまで作ります。ここでつまずくのは、書類によって項目の呼び名が違う点です。どう書けばAIが「同じもの」として扱ってくれるかを、その場で試行錯誤していただきます。
並んだ項目を「一致/不一致/片方にしかない」で仕分けさせ、不一致が1件以上あるときだけ要確認リストを作るという分岐を足します。n8nで条件分岐を扱うのは、ここが初めてです。
CBC350011 には反応の異なる4種類の食い違いが含まれており、1案件で一通りの論点をカバーできます。
ここが書類チェックでいちばん大事な論点です。AIは、運用上は正しいものまで「不一致」と言ってきます。これを放置すると「毎回たくさん警告が出るから、もう見なくなる」という、いちばん危ない状態になります。
実際に出てきた誤検知を見ながら、「これは無視してよい」というルールをプロンプトに書き足していきます。この作業が、そのまま夕方の「AIに任せる/人が必ず見る」の1枚につながります。
CBC350011 向けに調整したものを、そのまま別の案件に当ててみます。輸入案件(OCEN360005)や危険品(OWEL36J003)では書類の構成が変わるため、そのままでは通用しない箇所が出ます。
1案件で完成させたものが他案件でどこまで使えるか——この確かめ方を知っておくことが、持ち帰ってからの精度の上げ方そのものになります。
13:40–15:55/135分。本日の本番です。1日でいちばん長い時間をここに充てています。 朝に書き出した業務フローを見ながら題材を1つ選び、例題1・2で覚えた型で組みます。 ご自身の業務からお選びいただくのがいちばんですが、決めきれない場合のために候補をご用意しました。 いずれも外部システムとの接続が不要で、かつ1日の中で扱いやすい範囲に絞っています。
この135分の進め方
手が止まったまま時間が過ぎることがないよう、進め方を決めています。
1日で全部には手が届きません。何をやらないかを先に決めておくことが、成果を左右します。
外部との接続を今日やらない理由
「メールが届いたら自動で動き出す」形は、たしかに最終形です。ただ、そこをつなぐにはメールアカウントの接続権限と、社外にデータを出す範囲の社内決裁が必要になります。 合宿当日にその判断をしていただくのは無理がありますし、設定作業に時間を取られると、肝心の中身を作る時間がなくなります。
今日つくるのは「中身」です。AIへの指示文と、どこを人が見るかの線。この2つさえできていれば、 入口を「人が貼り付ける」から「メールを自動で受け取る」に差し替えるのは、後からでも難しくありません。 順番として、中身が先です。接続は1日を終えた後、30日以内の宿題としてご相談させてください。
当日の立ち上がりで時間を落とさないため、事前のご準備をお願いします。ご負担の大きいものはありません。
本資料について
本資料は、お預かりした資料と先日いただいたご意見をもとに組み直したものです。 進め方・時間配分・扱う例題について、まだ難しそうなところ、逆に物足りないところがあればお聞かせください。 いただいたご意見を反映して、確定版としてお出しします。